今後のFRBの金融政策を考察。(ハイテクグロース株をどうする?)
*ここで言及するハイテクグロース株とは主にNasdaq上場時価総額上位100社のNasdaq100である。(みんな大好きQQQ)
米国のBEI(期待インフレ率)が上昇している。
既に現時点(2021/02/05)で2014年ぶりの水準。
国内では、
BEIは米国と同じく2020年3月以降上昇しているが、
未だコロナ前の水準(2020年1月)と同程度。
日銀の大規模金融緩和が行われていても、期待インフレ率は下落傾向が続いている。
これはGoToを含めた一時的な財政出動の影響でもあるが、やはり米国と比べデフレマインドは強いと言える。
期待インフレ率の適度な上昇は経済の高循環を示し、基本的に実体経済に好材料。
金融緩和のもとでは実質金利の低下へ繋がり、資金需要が増大する。
しかし同時に後の長期金利の上昇も示唆している。(=グロース株への負荷。)
さて、ここで重要になってくる事は、
FRBの金融政策の方向転換。(=後の長期金利の動向に大きな影響を及ぼす。)
直近のFOMC(連邦公開市場委員会)では23年まで金利は据え置くとの見通し。
仮に見通しに変化があれば、全ての資産価格にマイナス材料。
直近の期待インフレ率や資産価格の上昇によって、
FRB内部でも議論が活発なようだ。
しかし、直近の雇用統計は良くなかった。
FRBは雇用統計も重要視している。(雇用と物価の安定がFRBの目的)
現状は、資産価格と実体経済(雇用)が乖離している事は明白だ。
実体経済への影響はもちろんコロナによる一時解雇が原因である為、
FRBは自然免疫を含むワクチン接種状況を注視しているのだろう。
通常の経済に戻るまで摂取率75%が目安とされている。
下記の情報によると現時点で米国全体の摂取率は9.5%。(接種1回目)
一方で、ワクチン摂取率達成の見通しは不透明である。
まとめ: グロース株の保有は継続と考えている。
米国含め世界のワクチン摂取率の見通しが依然不透明なため。
現状としてはある程度コロナの収束シナリオが見えてきた為に、
一旦の金利上昇によるバリュー(金融、資源、エネルギー他)へのリバランスが起こる可能性はある。
しかし、依然としてワクチン接種率の見通しの不透明感はあり、
雇用も不安定な状況。
FRBによる緩和は継続され、長期金利の上昇も限定的と考える。
米国経済は日本と違い金融資産に占める株式の割合が高く、
株価本位制資本主義とも言われる。つまり株価が消費動向に直接影響を与えやすい。
FRBは資産価格と実体経済(雇用、物価)の難しい舵取りをしているが、
過去の苦い経験からFRBは金融政策に対し慎重(ハト派)になっている。
パウエルFRB議長はFRBの新たな目的に金融市場の安定を付け加えてた。
自分達で引き金を弾きたくはないのだろう。
決算もグロースは好決算が相次いだ。
以下参照