グロース株と長期金利の関係(ハイテクグロース株をどうする?②)

依然として長期金利が上昇している。
現時点(2021/02/19)で1.34%(前日比+4%)。
長期金利の上昇がグロース株全般(高PER株)に、
基本的なマイナス要因であることは周知の通りである。
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前回ではFRBの金融政策について考察した。
life-is-going.hatenablog.jp

そこでは、
1、 BEI(期待インフレ率)が上昇していること。(実質金利の低下)
2、一部の資産価格が上昇していること。(バブル懸念)
3、しかし、雇用は以前不安定であること。(1月雇用統計)
4 、FRBは俄然ハト派寄りであり、テーパリングは行わないであろうこと。(パウエルFRB議長の発言等)
5 、今後FRBはワクチンの摂取率を注視していると思われるが、見通しは未だ不透明であること。

これらの理由より、長期金利の上昇は限定的でありハイテクグロース株を保有継続とした。

ではハイテクグロース株の代表例、Nasdaq100の状況はどうだろうか。
現時点で13,580USD(前日比-0.42%)。
あまり大きな動きにはなっていない。
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ここで、長期金利とNasdaq100の動きを比較すると、
コロナ以降は長期金利との正の相関があるように見える。
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2020年11月以降の短い期間であるが、
QQQ(Nasdaq100と連動するETF)と長期金利には高い決定係数が出た。
コロナ後においては現状の金利水準ではまだ大きな調整には至らないようだ。
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ではどのあたりの水準で影響が出るのか。
諸説あるが、1.5%~2%の水準が分水嶺とみる声があるようだ。
また、潜在成長率との比較から現在長期金利は低すぎるとの声もある。
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www.nikkei.com

しかし、そもそも金利とグロース株の相関は状況によって変化する。
金利を過度に意識しすぎるのも危険だ。
2017年の強気相場では、米国と中国経済が好調だった。
グロース株は稀な急落も含めて上昇を続けていった。
金利の上昇とグロース株の共存について、
債券から株への「グレートローテション」が起きていると言われていた。
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現在は金利上昇によってハイテクグロースが売られていると言うよりも、
グロースとバリューが同時に買われている状況。
リスク先行の点では2017年と似ているとも言える。
www.bloomberg.co.jp
 
そして、相変わらず雇用や消費は不安定な状況だ。
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ワクチン摂取率は現時点で18.46%(接種回数問わず)。
こちらは比較的早いペースで進んできているようだ。
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まとめ: 
ハイテクグロース株の保有は継続。引き続き雇用状況とワクチン動向に注視する。
FRBの金融政策に変更がなければ、長期金利の上昇、株価調整が一時的に起きても、リスク先行はその後も続くと考えている。